ヴェラキッカ 1
TRUMPシリーズ最新作ヴェラキッカ、観てきました。
うん、ヴェr、なにそれ?と思いましたが、美弥るりかさん宝塚退団後初主演ミュージカルってことで、一発美を浴びてこようかなと。友人がチケット取ってくれたので、ありがてーありがてーと観に行ったわけです。
まずね、INTO THE WOODS観たの、前日の夜だったわけで。二日連続のミュージカル鑑賞で頭整理し切れるかなと思っていましたが、、昨日観たのはなんだったのかと思うくらいのヴェラキッカの圧倒的満足度。
正直ちょっとイントゥザウッズの口コミ不安な声が多くて、観終わった時、なーんだそこまでじゃないじゃん、まあこんなもんじゃん、と安堵していた部分があったのです。感想もさらっと書き終えることが出来たのです。自分の中でとんとん簡単に消化していました。とっても胃に優しい。
そこへきて、本日のヴェラキッカは、やばい。やばい。語彙力がないのは昨日の王子2人だけでは無かったようです。全員歌うま。お歌、迫力、やぼうございました。頭の中で曲の再生が止まらない。そうそうミュージカル観た後の余韻てこれだよ、、!って浸りに浸っています。味が濃い、胃に優しくない、胃もたれはし、てないけど、なんならしたいくらいのミュージカルでした。
私的に満足度が高いミュージカルって、観ている最中に脳内がうるさいのかなって気付きました。あ、キューティクル美しい、ってかこの動きもはや群舞?え、ちょっと今の説明もうちょっとゆっくり言ってくれないと付いてけない。そしてこの人、地元の先輩に似てない?美弥様前もどっかでそんなこと言ってたね?と突っ込み、感動し、困惑し、大いに脳内で目の前で起きている事態を捉えようと躍起になっているわけです。割と関係ないこと考えてますが、それでもめちゃくちゃのめり込んでいるのです。
イントゥザウッズも決して悪かったわけではないのですが、ほほーん?とただストーリーを飲み込んでいる時間がなぜか長かったので、ふーんと終了してしまいました。どこから来るのかこの違いは、、、お歌の力、かな、?
正直、この舞台を見るまで、ヴェラキッカなめてたとこあって。あらすじ読んでみても、吸血種とか、ヴェラキッカ家の家訓はノラを愛すること、とかなーに言ってんだい、と。こちらにもわかる言語で話しなさいよってちょっとはすに構えてたっていうか。公開されてるビジュアルも極彩色強めで、美弥様が美しい以外なんにも伝わらないじゃないって。
ねー。ごめんなさい。完敗です。疑ってすみませんでした。
なぜか受け入れてしまったのです。この世界観を。すんなり受け入れられてしまったのです。それは美弥様の圧倒的説得力と、全員のとんでもない歌唱力のせいでしょうか。愛とか共同幻想とか繭期とか普通に言えちゃう。今やもう愛してる愛してないの次元で物事考えちゃう。
TRUMPシリーズすげー。というかヴェラキッカすげー。なんか、勿体無いなって。こんなに素人を大感動させるミュージカルなのに、上演期間短いし、劇場もブリリアだし。なーんか一見さんお断りのプロモーションで、無駄に新規顧客減らしちゃってない?って。人にお薦めするかって言ったら、私は間違いなく強火でお薦めします。いいから騙されたと思って観ろ!!Blu-ray先行予約申し込んじゃったから貸すから!!でもTRUMPシリーズ他のも観るかって訊かれたら、やっぱちょっと二の足踏んじゃいますけどね。とにかくヴェラキッカは凄かったー。
詳しい内容以外で、劇場で気になったのは客層。美弥様のファンが多めでしたね。馴染みのヅカオタの匂いがぷんぷんしてました。あとはTRUMPシリーズのファンでしょうか。
クライマックスはお客さんの涙からの鼻をすする音があちらこちらから聞こえてきました。残念ながら私の心の琴線には触れてこなかったので私はノーハンカチでしたが。あと皆さん何で泣いてらっしゃるのか解説して欲しかった部分も正直ありますね。いじらしいのはタイミング。美弥様が舞台に出てるときはみんな小さく遠慮がちに、ずっ!てするんですが、場面が決着して暗転した瞬間、堰を切ったようにずるずるずるー!と大合唱でちょっと笑っちゃいました。わかる。我慢してたんだよね。美弥様の前では泣かない、音立てないってね。暗くなったら想いが溢れちゃってね。美弥様を愛するものとして、きっちり節度を守るファンの皆さんが愛おしく思えました。
本編気になった場面の感想は次回で。
INTO THE WOODS
イントゥザウッズを観てきました。
望海風斗さん宝塚退団後初出演ミュージカル。観ないわけには、!
コロナで数々の公演が突如中止になっていく中で、無事に幕が上がることはありがたいですね。
ほぼ満席に見えましたが、明日からも元気に公演が続けられますように。
イントゥザウッズは、メリル・ストリープが出てるハリウッド映画もありますが、ちょっぴりブラック大人な、なんでもありのおとぎ話です。赤ずきん、シンデレラ、ジャックと豆の木、ラプンツェル等等ごちゃまぜになっています。ミュージカルでは前半でそれぞれのおとぎ話を回収。後半はおとぎ話のその後を描いています。
まず、赤ずきん。はじけてました。
羽野晶紀さんが演じてました。赤ずきんちゃんの割には、少女じゃなくて随分と大人の女優さんキャスティングするんだと思っていましたが、納得です。並みの少女にゃできません。
小さい頃に読んでいた無垢な少女のイメージはどこへやら。冒頭、もっとくれよ!!つってパンやらお菓子やら貪り食ってました。後半はオオカミの皮で作ったジャケットの着こなしばっちりで目が離せないキャラクターでした。
開演前や幕間のアナウンスの声も羽野晶紀さんだったのですが、自然と笑っちゃいますね。
あと王子2人組。すごく良かったです。
ザ・プリンスのキラキラなビジュアルで、ぱっぱらぱーな中身。本当に中身がない。
「語彙力が無い」と高らかに歌い上げていました。テンポ良くおかしなことを言う人、いいですよね。それが2人同時に出てきちゃって、とっても愉快な場面でした。もっかい出てこないかなーってプリンス待ちしてる自分がいました。ラプンツェル?ラプンツェルってサラダ菜!って掛け合いがツボでした。
シンデレラ役の古川琴音ちゃん。朝ドラ、みてましたよ。ミュージカル初挑戦だったらしいのですが、健気で一生懸命、でもちょっぴり計算高いシンデレラ役、合ってました。くるっとした前髪も好きでした。個性派、実力派女優さんって感じですね。
イケボのストーリーテラーのおじさん、どっかで聞いたことある声だったんですが、思い出せない、。とにかくイケボでした。びっくりしたー。
ストーリー的においしかったのは、パン屋の奥さん。素直にキャラクターに惹かれました。庶民ですし、そりゃあ王子様に憧れはあって、森の中でうっかり王子様とロマンスを繰り広げてしまうけど、最後はやっぱりパン屋のことを思う、、。なんて人間らしい。そんな中非業の最期を遂げてしまいますが、それも人間らしい。ブラックなミュージカルですね。
そして、やっぱり注目は望海風斗様でしょう。お客さんも半数以上彼女のファンだったと思われます。もう拍手の量が違う。初登場のお顔は顔半分仮面を付けていて、あれ?ファントム?ってなりました。
呪いが解けてから、セクシービジュアルに変身するのですが、男役時代では拝見できなかった御御足がチラリ。背中もデコルテも結構あいていて、女優やってる、!と感動しました。
でも望海風斗らしさも溢れていて、低い声で「ず、き、ん!はい!ず、き、ん!!」と赤ずきんちゃんのずきんを奪い合う2人にちゃちゃを入れたりとか、「君を離さない」とか突然男役っぽい台詞吐いちゃったりとか、彼女らしいエンタメ要素もいっぱいでした。
至極のお歌はご健在で、ミュージカル全体の格が上がっていました。やっぱりお歌のパワーは凄い。でも同じくらいお歌が出来る方って中々いないので、真彩希帆ちゃんて本当ぴったりな相手役さんだったんだなと。今全く関係ないけど勝手に、納得。また二人一緒の舞台に立って欲しいなって、全ヅカオタの皆様が思っていらっしゃることでしょう。
カテコで捌けるときに、最後投げキッスしながらスキップ?してました。NOW ZOOM ME‼︎でもやってたやつ!お気に入りなのかしら?いっちゃん拍手貰ってました。それだけでこちらも元気貰えました。
はー!
やっぱり観劇って楽しい。
これからも無事に幕が上がること、
願う!
夜は短し歩けよ乙女
こんにちは。今回はミュージカル、?ではない観劇体験について。
作品は 夜は短し歩けよ乙女
森見登美彦さん原作の人気小説。不毛で不埒で大真面目にふざけた大学生活をおくる青春物語。
前から森見登美彦さんの小説は好きで、ノイタミナで四畳半神話大系をやったとき(大昔ですね)丁度私も大学の一回生とかだったと思われ、めくるめく薔薇色の学生生活に胸躍らせたことでした。(今ここで果たして実際のそれを語ることは時間の無駄である。)
さて、夜は短し〜の小説は、四畳半〜と大体同じテイストで、主に黒髪の乙女にスポットが当たった青春ラブストーリー。同じ話を別の登場人物の視点から書いていくスタイル。これまた大好きな作品です。アニメ映画化も少し前にされていましたが、今度は舞台になるなんて、なんておもちろいのでしょう!
主演:先輩は歌舞伎界から中村壱太郎さん、黒髪の乙女は乃木坂の久保史緒里ちゃん。、、どうでもいいけど、漢字変換する時に、中村壱太郎は出てこないのに、久保史緒里は一発で出てくるのなんで?
歌舞伎とアイドルの組み合わせって何事って思いましたが、壱太郎さんその辺のいけてない大学生役ぴったりはまってて、史緒里ちゃんは弘中アナみたいな黒髪の乙女で、ありよりのアリでした。史緒里ちゃん可愛い。でもあれからテレビで乃木坂映ってるとき一生懸命探すんだけど見つからないの。ごめんなさい。
他のキャストは、この界隈に私が疎いので、正直どなた?みたいな方がつらなっているんですが、目立ったビッグネームは竹中直人と鈴木砂羽。本物初めてお目にかかったんですが、オーラが違う感じがしました。お衣装がお衣装に見えない。出てきた時から普段もこんなん着てますけど何か?的な佇まい。役者さんてこういうもんかーと勝手に感激しておりました。
ちなみに竹中直人が演じたのは、一切が謎めいた老翁、李白。鈴木砂羽は酔っ払うと人の顔を舐め回す歯科衛生士、羽貫さんです。ぴったりです。
役者さんがお芝居をしっかりやってたまに歌う、みたいな舞台(どんな舞台だ?)初めてだったんですけど、新鮮ですね。へー!あっさりー!とは思いましたが。でも違和感は無かったです。今回は主演が歌舞伎出身でちょっとテイスト入れてあったりなんかして、見慣れた宝塚も歌舞伎がベースにあるので拍手のタイミングとか割と一緒だったのもあるのかしら?
序盤で黒髪の乙女が、ほろ酔い気分で夜の京都を歩く曲は、世界観がとっても作品に合っていて素敵でした。もう一回聴きたい。いや20回は聴きたい。宝塚ならすぐ楽曲配信してくれるのに。今はYouTubeで上がってるちょっとした動画でしか聴けないのは残念です。
もう一つお気に入りの曲は、学園祭の場面でステージでちょろっと歌っていた謎のヒッピー風コンビの「くだばれへなちょこ弁財天〜」でした。登場は一瞬で、そのフレーズしか歌ってなかったんですが、めちゃくちゃ印象的でした。こんなに場面を端的に表した楽曲がありますかと。舞台上にへなちょこ弁財天が出てきたわけではないですが。カオスな学園祭の、カオス極まるステージ上で意味はよくわからないけど、一定の知性を保ちつつも過激、という絶妙な楽曲でした。あれからたまに口ずさみます。
でもね、これは異文化!って感じたことがあって。
お客さん誰も持っていないのです。オペラグラスを、、!
ヅカオタから言わせれば、やる気あんのかって話ですよ。贔屓の顔をアップで見ないなんて、もう何しに行ってるんだって!贔屓の額に浮かぶ汗の粒が観たくてお金払ってるまであるんだぞと。オペラグラス忘れた日には幕間にヨドバシに買いに走る程度には必要なアイテムなのに、皆さんすましてお席で肉眼で観劇なさってました。開演前、首からかけたオペラグラスちょっと隠しちゃったよね。私もそっち派ですって顔で。で、始まったらすっと出したよね。竹中直人ガン見しました。お化粧でおでこがラメラメしてました。
だから皆さん、見逃してましたよね?ちょっと舞台奥だったから。鈴木砂羽が本当にジョッキビール一気飲みしたの。私はオペラグラスなので間近で目撃しましたよ。ジョッキの中の揺れる泡、減っていく黄金色の液体、受け止める唇、動いている喉。お見事。わーっと拍手送りたいところだったのに、みんな肉眼じゃ見えずらいから「あれ今ビール一気飲みっぽいことした、よね?というかあれ本物?」的な空気でまばらな拍手になってました。もったいないー!本物でしたよー!!
森見登美彦さんの小説といえば京都題材で、まあ独特な言い回しが特徴です。中学生に読ませたら、さぞかし腹の立つ表現方法ばかり学習することでしょう。なむなむ!
今回の舞台でも、その独特な言葉遣いの数々はしっかり生きていました。
「世の殿方というものは、腐れ外道かど阿呆か、もしくは腐れ外道かつど阿呆のいずれかなのです!」という黒髪の乙女のお姉さんの格言や、「諸君、異論はあるか。あればことごとく却下だ!」という先輩の排他的な決意が大好きですが、立派な舞台俳優さん達が叫んでくれて幸せでした。客席から笑いが起きるシーンは、演技が面白いのと、そもそもの原作の台詞が面白いので半々くらいだったかなと思います。何度も読んだ言葉でも、舞台で言われると新鮮に笑っちゃいました。
さて、あと言いたいのは、客層。舞台・原作のファン4割、中村壱太郎(歌舞伎)ファン4割、久保史緒里(乃木坂)ファン3割、なんか1割多いですが、それくらいの割合だったと思われます。つまり、なんというか、カオスだったのです。いえ、皆さん常識と良識を持ち合わせたいい大人ばかりでした。ただ普段違う界隈で暮らしてらっしゃる大人達が、ひと所に集まってしまったので、一体感の無さが凄い。
しかし勉強になりました。なるほど歌舞伎界のプリンスにはそんなグッズが作られているのですね。なるほど乃木坂ファンはそうやって写真を撮るのですね。小説好きそうな青年はそうやって遠慮がちにパンフレットの列に並ぶのですね、と。みんな違ってみんないい。
私はどこに属してると思われたのかな。
北斗の拳 フィストオブノーススター 2
こんにちは。続きです。
私って、そんなに北斗の拳詳詳しかったっけ?と思って初めて読んだのいつだっけなと振り返ると、高校の時でした。
だいぶ昔なので話覚えてないところとか違うところがありましたら、あしからず。
漫画読んだ当時は、これは拳と拳がぶつかるバトル漫画というより、壮大な愛(というか主にユリアへの執念)についての物語なんだなと感じました。愛ゆえに人は苦しまねばならぬのです。そういえば名言たっぷり聖帝サウザー様は出てきませんでしたね。ちょっと寂しい。
今回のミュージカルは、その点はバトルに振っていたかなと思います。兄弟愛とか隣人愛とかユリア愛とか各所散りばめられていましたが、見どころはやっぱり円城寺さんのマッソーとアクションでしたから。
今回のミュージカルで割と美味しかったのはリンとバットではなかろうかと思います。
正直漫画ではそんなに好きなキャラクターじゃなかったんですが、なんかいちいち邪魔だなってちょっと思ってたんですが、こう、ミュージカルにくると、必要でしたね。いたいけな子どもの存在。
今回それぞれ持ち歌?みたいなのがあって、それがまたお上手で、堂々歌い上げられると、私今ミュージカル観てる!って満足度が爆上がり。バット役の方、たぶん役者として主役を張るようなポジションでもビジュアルでもないのだけど、バットをやらせるとこんなに輝きますかってくらい輝いていました。お歌が上手い。もう安心して観てられる。やるじゃんバット、!
リンちゃん役の子は、お年はおいくつだったのかしら?世紀末の無垢なる少女を完璧に体現されてました。ピュアで健気で一生懸命で、もうずっと観てたい。出演作追いかけたくなっちゃう。とはいえお名前覚えてなくてごめんなんだけど。終演前のお辞儀のときも一番おっきい拍手もらってました。そりゃあそうだ。
あと言いたいのは、お馬ちゃん。
やっぱり拳王・ラオウ様の愛馬は巨大な、いかつい黒いお馬ちゃんです。アンドレとオスカルは白馬(ペガサス?)に乗りますが、漢の中の漢は、王騎も前田慶次も然り、漆黒の巨馬に乗るわけです。
わー!おっきいの出てきたー!すごーい!ってパッと見思ったんですが、中の人の形がわかっちゃってからは妙にツボで。目が離せない。前後でお二人、いらっしゃいましたね?獅子舞と同じ要領ですね?いえ、ご立派なお馬ちゃんぶりでした。前の人がね、お馬ちゃんの頭の部分をプラカードみたいに掲げているんでしょう、揺らすとお馬ちゃんがいなないてるかのように見えました。さらにご自身の足はそのままお馬ちゃんの足になってまして、地面を蹴ればさも蹄を鳴らしているかのように見えるのです。これはこれでひとつの完成されたエンターテイメントでした。
しかし方向転換して体ごと横を向いたとき、ほっそりしたウェストに思わずニヤリ。前の人と後ろの人の間、布だもんね、?獅子舞もね、獅子頭に注目されがちですが、全体見ちゃうとおっさんの毛深い足がにょきっと出ているわけです。完成されたラオウのお馬ちゃんも横からみると途端に張りぼて感が露わに。歩く姿もどことなくコミカル。1.2.1.2って声が聞こえてくるんじゃないかしらと。二人息合わせて頑張って、、!と心のどこかで応援したくなる愛すべきお馬ちゃんでした。
そう、全体通して、本編よりも気になる小ネタが満載だったのです。
笑っていいのかダメなのか、判断に迷いながら各々のタイミングで笑うミュージカルでした。隣の人と斜め後ろの人と笑うタイミング全然被らなかったし。え、今笑うんだ?みたいなところ、あったし。
オフィシャルサイトのコメントみたいなところには、「あべし!のシーンはお稽古中から必ず笑いが起こるシーンですので、みなさんも是非笑ってください!」的なこと書いてありましたが、圧巻のあべ死を見せつけられると笑いたいけれども、笑いよりも感動したい自分が邪魔をしました。
幼少期のユリアと3兄弟の思い出のシーンでは、ユリアがもってる鞠が妙にテカテカなところが気になっちゃったし。これって、あれだよね?バラエティ番組とかで不正解だと落とされる穴に入っているカラフルなボールだよね?それに鞠っぽくテープ貼ったよね?なんでここお金かけなかったん?と。
極めつけは、虎。修行中のケンシロウとラオウが虎と闘ったり手懐けたりするエピソードなんだけど、入ってこない。なぜって、虎のビジュアル。ラオウのお馬ちゃんは中に人使って、もう少しでライオンキング(劇団四季)!の仕上がりだったのに、突然のぬいぐるみ感。ちょっと男子ー、真面目にやってー?と言いたくなりました。至って真面目にやっていたんでしょうけども。
世界に入り込みたい私と、あくまで客席から冷静に見つめる私のマリアージュ。観劇してると割とよく陥る状態ですが、より顕著だったかなと思います。
あと私北斗の拳という作品に触れるときに、忘れまいと心に決めていることがあります。
ケンシロウにはラオウ、トキ以外にも兄弟がいるってこと。北斗4兄弟なんだってこと。
ジャギ。
ミュージカルでもまっったく触れられず完全スルーで北斗3兄弟って言われてました。だってザコなんだもん。漫画でも途中から見事なまでに忘れられていて、そんなジャギを世界中が忘れても私は、私だけは、忘れずにいてあげようと思っていました。
ジャギ。
ごめん、正直私も、生き様も死に様もちょっと思い出せないんだけど、存在だけは覚えてる。あなたもいつかミュージカルで歌って踊る日が来るって信じてるよ。
北斗の拳 フィストオブノーススター
こんにちは。初めてお手紙書きます。
突然ですが、私観劇が好きです。
宝塚が大好きです。じゃあ宝塚の感想をせっせと書けばよいのですが、なんせ取れないので。チケットが。観れていないのです。
というわけで最近は色んな舞台に手を出すようになりまして。そんな中思いました。私色々観るのに、めちゃくちゃインプットあるのに、どこにもアウトプットしてなくない?って。
心に残ったこと、どこかに吐き出しておくのも悪くないのかなーと思いしたためてみることにしました。
で、記念すべき一発目は、北斗の拳です。
フィストオブノーススターって聞くと一瞬騙されますが、原哲夫先生原作、あの北斗の拳です。(2回目)
宝塚の夢夢しい世界はもちろん大好物ですが、幼い頃から少女漫画より、少年(青年)漫画に親しみがある私としては、これほど魅力的な演目はないぞ、と。
漢字の漢と書いて おとこ と読む原哲夫先生の名作がミュージカルに、!?
しかも主演はルパンの娘でお馴染み、円城寺さん(大貫勇輔)!ユリアにはジュピター:平原綾香!謎に作曲は宝塚御用達、フランク・ワイルドホーン!なんて豪華!!
誰もが興味がわく、しかし同時に一抹の不安を覚えるあまりの漢臭さは果たして、?
感想の一言目としては
なんという筋肉、、、!
マッスルミュージカルでした。いや私が普段宝塚ばかり見ているせいもあるのかもしれないけれども。もうバチバチ、キレキレ、マッスル祭り。円城寺さんの開襟したお衣装からのぞくもりもりした大胸筋、上腕二頭筋、ご馳走様でした。
アウターもさることながらインナーのマッスルも相当仕上がった状態をキープされているんでしょうね。全くブレない軸と、飛んだ時の驚きの滞空時間。今動画加工してた?ってくらい美しかったです。
そして、円城寺さんてダンサーだとは聞いていたけど、え、そんなに足上まであがるの?動きが速すぎて肉眼で捉えられない!?こ、この感じは礼真琴を観ている感覚と同じだー!!と途中で気付きました。
円城寺さんだけではなく、出演者みなさん筋肉もりもりでした。メイクかもしれないけど。モブキャラも筋骨隆々なのは北斗の拳にとって大事な要素ですからね。しかしミュージカル俳優ってみんなあんなに筋肉必要なのかしら。努力に感服です。
モブキャラといえば。
感動したのは、モブキャラのモブキャラ感。
あの独特の、ヒャッハー!!感がすごい。そこへの作り込みがすごい。本当に頭悪そうな世紀末チンピラさん達が、ショッカーの如く「イー!!」つって出てきてはやっつけられてました。
有名な「あべし!!」で亡くなるモブさん(以下あべしさん)は圧巻で、今だぞ、俺今あべし言うぞー!あべしって言うの俺だぞー!っていう盛り上げが最早微笑ましかったです。しっかり見せ場作ってました。
でも私的にはあべしって あ・べ・し!!ってしっかり発音するものじゃなくて、ケンシロウの秘孔攻撃からの内なる波動で、言葉にならない叫びが崩れゆく身体と混ざり合って結果的に「○#€*:!!」みたいな発音になったのを無理やり文字化したものだと思っていたので、ちょっと違和感。「ひでぶ!!」も同様に。でもね、ちゃんと言わないとただのショッカー1で終わっちゃうから、難しいところですね。
ちなみに断末魔の叫びとして「あべし!」と「ひでぶ!」はあまりにも有名ですが、私は「ぱっぴっぷっぺっぽう!」が好きです。出てこなかったけど。あれこれは北斗の拳じゃないっけ?なんでもいいか。
私が見た日だけだったと思うけど、ちょっとしたトラブルありました。
あべしさんが亡くなった後、こわーい死神みたいなのがあべしさんの体を舞台袖に運んでいくんですが、あべしさんなかなかの死にっぷりだったのか、被ってたトサカ型のかつらがね、舞台上に落ちてしまったみたいなのです。死神さんたら気づかずあべしさんだけを連れて行ってしまって。明るくなった舞台中央に残されたトサカ。赤と黄色のめちゃ派手なやつ。もう名前書かなくても誰のかわかるやつ。そのままお話は進みます。ケンシロウが村人と真面目にお話してる。人類の苦悩とか人生について語ってる。のに、気になるのは舞台中央のトサカ。これは演出、ではないよな、?でももしかしてこれからトサカに触れる話になるのかな?ともやもやしてたら、村のおじさんAみたいな方が、捌けるついでにむんずとトサカを掴んで走り去って行きました。安堵。
あと印象的なのはワイヤーアクション。全く知らずに観劇してて、突然の浮遊にまんまとびっくりしました。ただ、あ、おっけ、そういう感じね!とこのミュージカルの雰囲気が掴めてきました。
しかし一回あるとわかると、気になって仕方がないのがワイヤー。線が見えると、お、そろそろこいつ飛ぶぞーとつい先読みしてしまいます。一回、これは飛ぶ方向は上か?横か?と思っていたら、お衣装だけが真っ二つにバリーンと吹っ飛んでいったのは素直に笑いました。笑うシーンではなかったようですが。
またジュウザが上裸でラオウと戦うシーン。気がつけばジュウザの腰にワイヤーがついているではありませんか。ワイヤー素人なものでどこでワイヤーを固定しているのか知りませんが、この心もとないお衣装にワイヤーついているのだとしたら、ひっくり返ってあわや破廉恥!みたいなことになりませんか?と勝手にドキドキしました。破廉恥にはなりませんでした。流石です。
そして忘れてはならないのが、ユリアです。
ユリアといえば北斗の拳の絶対ヒロインですから、知性、美貌、強さ、優しさ全て兼ね備えていて欲しいわけです。平原綾香さんはですね、一言で言えば歌手でした。お歌がものすごく上手で素晴らしいのですが、彼女はユリアである前に、舞台女優である前に、歌手なんですね。歌った瞬間、歌手:平原綾香が出てきてしまうなーと感じました。いいのか悪いのか私にはわかりません。誰がユリアやったらピッタリなの?って考えてもしっくりくる人なかなか出てきませんね。ユリアって、お前もユリアかーいってつっこみたくなるほど、北斗の拳全男性キャラクターの憧れの人ですからね。どんな屈強な漢も掘っていくと必ずユリアって言う唯一神。私はマミヤさんもいい女だと思うよ。
ちょっと長くなってきたので一旦ここまでにします。
また思い出した感想綴っていきます。